自動車に使われるブレーキには大きく4種類あります
軽自動車からミニバンまで幅広く使われている「フローティングキャリパー」
高級車やスポーツカーなどに使われる「対向式キャリパー」
リアブレーキに使われる「ドラム式ブレーキ」
ワイヤーで物理的にブレーキをかける「サイドブレーキ」
この組み合わせで自動車の「止まる」を制御しています
サイドブレーキ以外のブレーキはブレーキフルードを通じて油圧で制御していますので、フルードの劣化が大きな事故に繋がりかねません
車検の時には必ずフルードを交換するようにしましょう!
上の図はフローティングキャリパーを簡単な図にしたものです
この図を使ってどうやってブレーキをかけているのか説明していきましょう!
ブレーキペダルを踏むとブレーキシステム全体に油圧がかかるようになっています
ブレーキに油圧がかかるとまずブレーキ内部のピストン(図のピンクの部分)が油圧によって押し出され、ブレーキパッド(図の赤)がディスク(図のグレー)に押し付けられるようになります
しかしこれだけではブレーキが完全にかかっていません!
ピストンがディスクに押し付けられてもさらにブレーキペダルを踏んでいると、キャリパーの上部がピストンが押し出されている方向と反対方向にスライドするようになります(青の矢印)
ここで初めてブレーキディスクがブレーキパッドで挟まれて車を止める制動力が生まれるわけです!
ブレーキの整備で大切なことは
1.ブレーキフルードは車検毎に交換を
2.パッドやディスクの点検をしっかりと
3.各部の錆取り、グリスアップは確実に
の3点です
1と2に関してはよくチェックされているんですが、3が行われていない場合があったりします
そうなると写真のような状況になってしまいます
写真はとある車の左フロントブレーキのパッドなんですが、スライドピン(ブレーキペダルを踏むと②で動く部分)のグリスアップがされていなかったために外側のパッドのみが極端に減ってしまっていました
こうした状況にならないようにしっかりとブレーキは整備しておく必要があります
ブレーキをかけるために一番重要なのがブレーキフルード(ブレーキオイル)です
このオイルは普通のオイルと違って「吸湿性が高い」という特徴があります
つまりオイル内に水分をため込みやすいわけですね
この水分を含みやすいというのが問題なんです!
ここでちょっと物理の話!
物体の持つエネルギーは別のエネルギーに変換できる という物理の法則はご存知でしょうか?
運動エネルギーを熱エネルギーに変換したりするわけですね
ブレーキが行っているのはまさにこの変換で、車が動いている運動エネルギーをパッドをディスクに押し付けることで摩擦熱を起こし、熱エネルギーに変換しているわけです
通常のブレーキパッド(スポーツ用やレース用は除く)の耐熱温度は大体0℃~350℃前後
ブレーキは変換された熱エネルギーでこれくらいの温度になっています
冒頭の話に戻ります
ブレーキフルードはオイルの一種ですが、国産車だと大体205℃程度で沸騰するオイルが使われています
ですが、水分を含むと沸点140℃くらいまで落ちてしまうんです!
液体は沸騰すると蒸気になりますが、ブレーキ内のオイルが沸騰して蒸気が発生してしまうとベイパーロック現象という、ブレーキを踏んでもスカッとなってブレーキが利かない恐ろしい現象が起きてしまいます!!
そういった現象を起こさないようにするためにも車検の際には必ず交換するようにしてくださいね!
足回りからキーキー音がする、ということで入庫しました
タイヤを外してみるとパッド残量がほぼゼロ…おまけにフロントブレーキには石が噛みこんでいました
パッド交換のためにブレーキを分解したのですが、スライドピンが錆びているものもあり、丁寧に錆を落とした後にシリコングリースを塗布しておきました!
全輪ブレーキパッド交換及びメンテナンス ¥32600‐(税込み)
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